祝 小山卓治30周年

1983年高校を卒業し、付属の大学の音楽サークルに入った頃の事である。

高校時代は某アーティストをよく聴いていたが、

82年6月に見たSUPER LIVE IN HIBIYAから何か違和感を覚え、

新しい音楽を探していた。

恐らくラジオや深夜の音楽番組(LIVE G)などでかかっていたのであろう、

3枚のEPレコードを渋谷の西武にあったショップで買った。

岸正之FROM A TO HEAVEN」(FromAのCM曲)

大澤誉志幸 「彼女には判らない(WhyDon'tYouKnow)」 

そして小山卓治の「FilmGirl」。

 

その時は歌詞には興味があったものの、非常に泥臭いアレンジに

のめりこむほどではなかったが、

その後地元にあったレンタル屋にてファーストアルバム「NG!」を借り、

1曲目の「1 WEST 72 STREET NY NY 10023」(通称NYNY)でぶっとんだ。

いきなり「あんた地下鉄の匂いがする。君はオイルの匂いがするよ」

どんな匂いだ(笑)。そして最後に二人はダコタにたどり着く。

勘のいいひとならわかるだろうが題名はダコタハウスの住所。

こんな詩を書く人のライブに行ってみようと思ったのだが、

中々タイミングが合わず、見に行けたのは翌年の4月25日。

渋谷は今はもう無きLiveInnという箱で、大体真ん中あたりで見ていたのだが、

小山とパーソナルバンドのCONXとの演奏に、

盛り上がっているのか盛り上がっていないのか?

まぁこんなもんかなと思っていたが、ラストの「NoGood!」で、

バンドメンバーがステージから飛び出し、

気が付いたらSAXのスマイリーが目の前のテーブルの上で演奏をしており、

一気に虜になったものだ。

 小山卓治の魅力といったら、やはり先にもあげたような歌詞である。

まるで短編小説を読んでいるような歌詞。

稀代のストリーテラーと評されるのもよくわかる。

当時のアーティストで言うと尾崎ほど若者の代弁ではなく、

佐野ほど都会のビートにスイングしたりジャンプしたりでもなく、

省吾ほど世界を相手に戦い始めたりBIGMONEYを叩きつけるのでもなく、

裏通りにいる人たちの光と影を歌いあげている。

2枚目のアルバム「ひまわり」のタイトル曲「ひまわり」でも

「ガソリンが水たまりに虹をつくる道の向こうすすけた赤い屋根が続いている」

情景描写というのか、キャンパスにそのまま絵がかけるくらいの表現の仕方に

今までのアーティストと違った魅力を感じたものだ。

84年からだから29年つかず離れず、見ていたアーティストが今年30周年を迎えた。

ここ数年はライブに行けない事が多いのだが、

今日の夜はデビュー当時のバンドCONXとも一緒に演奏という事なので、

非常に楽しみである。

CONXとは横浜出身者がいない横浜ビートポップスバンド(確かそういう売りだったと

思うが)。小山のバックバンドではなく、デビューして2年間サポートしていたバンド

だ。

実際見たのは4月のLiveInn、7月の日比谷野音JustNowTokyoRockFeelingTime

8月の西武球場オールナイトニッポンスーパーフェス 12月のLiveInn だけではあるが

非常に濃いバンドだったと記憶している。

さて今宵はどんな曲を披露してくれるのかな?

  

西武球場でのライブ映像。


NO GOOD!vsCONX - YouTube

 

こんな日に非常に天気が悪いのも、きっと小山卓治のせいだw